しかし、人件費や減価償却を減らすということは、人を減らし、設備も投資しないことを示す。
これは企業にとっていいことなのだろうか。確かに営業利益は出るかもしれないが、長い目で生き延びることが出来るのだろうか?
本来の意味での付加価値労働生産性の上昇とは、人件費や減価償却などが多少上昇したとしても、もっと営業利益を獲得できるような企業になるという意味である。
日本の付加価値生産性が低いという時は、個人の働き方が悪いとそんな問題ではなく、企業としてもっと儲かる企業になる必要性を語っているのである。
4. 改めて経産省の定義に戻ってみる
もっと儲かるためにはと 中小企業の経営者は常に考えているのかもしれないが、儲かっている企業は 当然ながら「競争上の優位性」を持っている。競争上の優位性がなければ、ライバルが増加し価格競争に陥る、これは競争原理としてどこでも起きている事象である。
だからこそ競争優位を作り出すということは中小企業にとっては最大で一番の難関の課題であるとも言える。
だからこそ、まず手段に拘らず様々なアイディアや手法、経験、ライバルとの関係、顧客の困りごと、などを考慮しながら、自らの企業が目指すべき「競争優位とはなにか」を徹底して検討することが最も大事なことなのである。
これが見えない状態でIT化する、社内の文化を変える等の施策をしたとしても、明確な方向性が決まるわけではないし、中途半端に投資したITが減価償却の増加として利益を減らす方向に向かうのが落ちである。
「IT装備率が高くなるほど労働生産性が高くなる傾向」とある。だからこそ、IT化を推進すると労働生産性が上がるという論理を展開している。果たしてこれって正しい理解なのだろうか?
実はこの手の怪しい論理展開は様々な場所で指摘されている。例えば、解雇制限が少ない国ほど労働者の給与が高い、だから解雇制限をなくすのは労働者のためになる・・そんな簡単なことではないだろ?とツッコミたくなる。 同じ論理がここで展開されている。
小生の実感から導かれた論理展開は下記である。
私の論理が正しいとは言い切れないが、資料の論理展開に疑問を抱かざるを得ない。
その3 に続く
最終目的と中間目的は、デジタル技術が華々しくなる以前から経営上の大きな課題であることは明確である。 すなわち、過去から、いろんな手段で最上位目的を果たそうと努力してきたのが企業であるとも言えるのではないか?
技術が進んで来たので、デジタルとデータを上手に使いましょうという理解が正しいのである。
その2に続く