中小企業診断士 山崎勝雄
~現場から共考を通じて問題解決を~
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中小企業診断士 山崎勝雄の部屋
ファクトフルネスが ファクトフルネス出ない件 (その2)
(火, 12 5月 2020)
ファクトフルネスが ファクトフルネス出ない件 (その1)からの続き
3.なぜ的外れなのか? そもそも、利益剰余金とはどう計算されるものだろうか? 簡単に言えば、企業が生まれてから、その時点までどれだけ利益というものを溜め込んだのかという累積の数字である。 「それなら〇〇さんの言っていることはあっているじゃないか」と言われるかも。確かに利益を積み上げてきたと読み取ることは正しい。 しかしながら、利益の積み上げた金額が、そのままいつでも使える現金ではないというのが会計システムの常識である。 企業経営者がこんなことを言い出せば会計士さんや税理士さんは それは違うよ ちゃんと勉強しなさいと 諭されると思うほど基礎的な事である。 企業は、利益を元に現金が増加するとも言えるが、儲かった現金はそのままにはしておかず、投資という行為で、設備や土地や建物に変わったり、借金の返済に回るのであって利益そのものが現金として存在するわけではない。これも企業会計の常識。 それを示すヒントが同じ法人企業統計に記載があった。 法人事業統計 2019.10-12 PDF 9/22ページ 第7表 資金関連項目の推移 単位:億円 大分類 中分類 2019年10-12月 借入金 短期借入金 1,611,218 長期借入金 2,618,162 現金相当分 現金・預金 2,026,702 有価証券 158,734 これをどう読むか。 A) 現預金 202.6兆円 今すぐに現金化できそうな有価証券をあわせても、218.4兆円が自由になるお金として所有していることになる。 B) ところが、借入金の合計は、423兆円ある。218.4兆円はすべて企業が稼いだお金ではなく、その倍くらいの借入金で構成されているのである。 C) 企業とは稼いだお金を設備などに投資して更に増やすという行為をするのだから、現金だけがどんどん積み上がり、投資をしないのは甚だおかしいのである。 D) 家計に例えれば、現金 218万は手元にあるけど、借入金が432万ある状態である。昔稼いだカネは、車と家に使ってしまい(企業なら資産)、もはや今は現金では存在していない。借金が今の持ち金の2倍もあるのに。その手許現金が多いから、社会を救え、寄付しろ と言われたら 「何いってんだよ」と言いますよね? 4.ファクトフルネスを実践するには ファクトフルネスという姿勢は確かにいい考え方である。この雑誌では、「正しい情報を入手するべき」と書いてあるがそれもその通り。 しかしながら、ファクトフルネスを実践する際に注意しないといけないことを追加するならば下記である。 l 数値を構成している言葉はどんな定義であって何を示すのかを明確にする。 l 統計データを扱う際には、傾向とともに統計誤差をあわせて考えること 様々なデータが飛び交う時代だからこそ心がけるべきことではないのだろうか。 ちなみにこの主張に沿った政策案が報道にも出てこないということは政府の中枢の方々は 内部留保を活用する説があまりにもおかしいことを、ご存知だとも思える。 そうだとするならマスコミの方々の勉強不足ということになるのかなぁ。
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ファクトフルネス の記事がファクトフルネスでないこと(その1)
(Tue, 12 May 2020)
ある雑誌の記事を見ていてあれ? と思うことがあった。 少し前になるが、別の経済学者さんも同じような事をおっしゃっているということをYAHOOニュースで見ていて(少し前のためURLまで示せないが・・) なんだかおかしいなと思っていたのだが、またも同じ発言に遭遇してびっくり。 雑誌名や発言者については明記しないが、有名な経済雑誌であり、発言者は有名なニュース解説者である。 1.概略 雑誌の特集は「ファクトフルネス」 正確なデータと事実に基づいて世界を正しくみる習慣をつけようというのがファクトフルネス。この特集として有名ニュース解説者とある人の対談形式の記事。 以下、「」部分は記事そのまま。 (著作権にひっかかるのかな・・ でも事実を伝えるべきと判断してそのまま記載) 〇〇が ニュース解説者 ============================ 内閣支持率について、読売と朝日で何故違うかということに対して 「〇〇:新聞に中の方のページには、そうした調査方法と質問内容が載っています。 そこを見なければなりません。つまり結果だけでなく、必ず元データに当たる ことが肝心です。」 ============================ たしかにその通りだと思います。定義を曖昧にした数字ほど危ないものはないですから。 ============================ ”ニュース・データの見方、使い方、落とし穴” コロナウイルス対策として・・・ 「いま活かされる膨大な内部留保 〇〇:国内に話を戻すと、リーマンショック以降、日本企業の内部留保が多すぎるという話がありました。18年度に463.1兆円に達しており、「なぜそんなに溜め込むんだ。儲けは株主に還元せよ」とか、「従業員の給料を上げろ」とかという批判に対して、企業は「先が見通せないから、念の為に溜め込んで置くんです」と言い訳してきました。 その貯めこんだ現金を今使えば、雇用が確保できるはずなんです。」 ============================ その裏付けなのか、内部留保の統計グラフが記載され、その出典が、法人企業統計とある。 (ところが何年の統計かまでは明記していない) ちょっと待て! 内部留保だの現金があるだのと言っているが本当か? と思って調べてみた。 2.調査した結果 〇〇さんが言う通り、法人企業統計という元データをあたってみる。 最新の法人企業統計 は
https://www.mof.go.jp/pri/reference/ssc/results/2019.10-12.pdf
にある。 これは財務省の文書で、企業の損益や資産、負債、純資産といった確定申告で出すデータを集計したものらしい。 細かい資料なので隅々まで呼んだわけではないが、なんとその資料には「内部留保」なんて言葉は出てこない。 関係しそうな部分だけ抜き出して書いてみる。(PDFが保護されていてコピペが効かないので必要部分だけ抜き出して記載した。) 法人事業統計 2019.10-12 PDF 22/25ページ 1.全産業 資産・負債・純資産、及び 損益 単位:億円 大分類 中分類 2019年10-12月 純資産 資本金 1,000,531 資本剰余金 1,646,180 利益剰余金 4,792,052 さて、内部留保なるものはどこを示すのだろう・・。2018年の数値を見ていると、どうも利益剰余金の部分がそれらしい金額である。 仮に、「内部留保」なる言葉が、企業の「利益剰余金」だとするならば、〇〇さんの指摘は全くもって的外れである。 この事は、企業の帳簿(というか、貸借対照表と損益計算書という会計のシステム)をちょっと知っている人ならすぐわかることである。
その2に続く
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改めて危機管理
(Wed, 29 Apr 2020)
久しぶりに真面目な投稿 改めて危機管理で大切なこと 2020年4月。 新型コロナウイルス感染拡大を如何に抑えるかで世界中が困惑している。 東日本大震災から9年というタイミングと重なって新型コロナの対応で日本中右往左往している。。 改めて、危機管理とは何なのかを考えさせられる。 個別の支援のときには必ずお話していることだが改めて整理してみたい。 ただし、企業を中心とした話題としていることはご承知願いたい。 1.時間との戦い 1.1 相手は誰か? リスクという面で言うのなら、戦う相手はコロナウイルスや災害に見えるが企業が直接それらと戦うわけではない。 正しく時間と戦うことを優先すべきである。 1.2 時間との戦いに勝つには (1)意思決定の速度 政治にしても会社にしても民主的な運営が近年のトレンドである。 この事は平時のマネジメントとしては有効だと私自身は理解している。 しかしながら、危機の時 戦う相手は時間なのだから、まずは時間を基準にすべきである。 慎重に吟味して正しい(らしい)処置をするのがいいのか慎重さに目をつぶってでも状況情報から判断することがいいのか は迷うことだろうが、過去の研究では、後者のほうが良かったという結論なるケースが多い。このことは理解していただきたい事項である。 付け加えるならば、個別の課題を指示することではない。 大きな方向性を、それも未来のある方向性を示すことである。 (2)実行と意思決定 平時の事業活動でも、「実行」することが大事ではある。 「下手な考え休み似たり」とお話することもあるくらいである。 危機のときこそ スピード感を持って行動することは必須である。 素早く実行するには、素早い意思決定は必須条件ではあるのだが もっと大事なことがある。 トップレベルでの方向性を示すことがもちろん前提にはなるのだが 「指示待ちで動く」のではなく「現状を把握しながら能動的に動く」 ことが求められる。 近年の企業活動では、平時でも必要な要素なのだが、緊急時は、想定外の事象が現場で起きている可能性が高いのでその「観察力、判断力、 応用力」から 尚更 重要になる。 これは緊急時にだけそうしなさい というのは無理がある。 普段からそういう組織の考え方にしておくことが必要であり、その準備をすることは緊急時にも平時にも成果に繋がるはずである。 2.資源(リソース)の偏り 2.1 起きること 今回のコロナでも保健所や検査機関がネックになる。 平時の資源負荷は緊急時にはかなり偏りが起きることを 常識と理解すべき。 2.2 緊急時にすべきこと 本来は、緊急時の負荷の偏りをどう解消するかを事前に 準備すること。 しかし準備不足なら、トリアージするしかない。 トリアージは、緊急性の高いもの以外を排除すること。 これは合理的ではあるが生命の生き死にに当てはめることはかなりきつい。 2.3 考えうる準備 (1)流動的な組織化 普段と異なった負荷が発生したり、普段では考えもしない要求事項が増加する可能性があるのだから平時の体制では回るはずがない。 緊急時の体制については平時の体制とは違うものと意識すべし。 (2)マルチ人材 組織体制がどのように変化しても対応できる人材がいなければ成果にはつながらない。 そのためにも、緊急時には ・様々な事象を把握して総合的に判断できる人材 ・「これしかできない」ではなく、「100%ではないけどなんとかする」人材が必須 (3)在庫と備蓄 製造業が中心の話題になるが、在庫はある意味での時間稼ぎができる素材。 平時なら減らすことが良いのだろうが減らしすぎれば危機対応時間が長くなる (4)余力 コスト削減は平時では考えるべきことではあるが、不要は減らすべきだが 余力は減らすべきではない。明らかに変動要素に対応できなくなる。 3.事前準備がすべて BCPに関しては様々な情報や中小企業庁の資料などがあるが、大事なことは発生してから考えるんでは遅いということ。 全ては準備。準備なしで危機に望んだ時点で反省すべき。 厚労省は新型ウイルスに関しては明らかな準備不足。 4.危機の後どうすべきか 企業にしてもまちづくりにしても、元に戻すと考えるべきではない。 全く同じ状態に戻そうとする考えた時点で衰退する。 危機の後は新しい目標に到達すると考えて、新しい到達点を目指す ことである。 そのためには現在の延長線ではなく、変化を恐れないことである。
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IT化推進で注意すべきこと【帝国ニュース掲載版】
(Sun, 17 Mar 2019)
帝国データバンク様の帝国ニュースに投稿したものを掲載します。 ====================================================== 「働き方改革」という旗印の元に生産性向上が叫ばれ、AI活用を含めたIT化の導入に関する補助金がたくさん出ています。 私は中小企業診断士として独立する以前、IT業界におりましてクライアント企業様にIT導入を勧めていた立場でした。しかしながら、診断士として中小企業様と接していると、IT導入が経営として効果を発揮しているとは思えない事例をたくさん見ることになりました。いくつかの例を上げてみます。 (1) 会計的な知識不足で逆効果になっているケース 製造業様で原価管理システムの例です。原価管理システムから出される受注毎の製造原価データとして、材料費と外注費、社内工数を合計した全部原価だけが出力されており、幹部の方は「原価率が悪い」とお話をされていました。では「原価低減としてどんな活動を進めておられますか?」と質問すると、「社内の工賃が高いので安い外注を使うようにしている」との回答でした。 決算書を見ると、社内固定費は変わらないのに外注費が増加しており、かえって利益が出にくい状態になっていました。そのため、「受注単位での材料費と外注費のような変動費だけを抜き出すことはできませんか?」と質問しましたが、導入した原価管理システムからは容易に出ないことがわかりました。 (2) 会計的な知識不足で活動の方向性が誤っているケース 前項と同様に小規模製造業の原価管理システムの事例です。受注案件毎にかなり詳細な原価データを収集しており、そのデータをステムに入力するためにパートさんを0.5人/月で採用されていました。決算書を見ると明らかに総受注量が不足しているのですが、社長さんは「まだまだ原価低減が必要だ」とお考えになっていました。そうは言いながらも原価管理システムのデータはほとんど見ておられず、その上、肝心な営業行為に目が向いていない状態でした。 (3) せっかくの情報を生かしていないケース 卸業や小売業では販売管理システムが導入しているところが多くあります。「どの商品やカテゴリで売上と粗利が取れていますか? また過去数年でどんな傾向ですか?」と質問することが多いですが、システムからすぐ出せる企業様はほとんどいらっしゃいません。売上は分かっても粗利がわかるケースはかなり少ないです。 (4) 社内のオペレーションがついてこないケース 多くの業種で在庫管理システムを使っておられますが、実際の在庫数とシステム上の在庫数がかなり乖離している企業様もかなりあります。システムに情報を入れないでモノだけを動かしてしまう、或いは、動かした後、まとめてシステムに入れるためその間はアテにならないなど現場の運用がついてこないなど現場がついてこないケースを多く見かけます。 現在のITシステムは万能機械ではなく、あくまでも「道具」です(巷で話題のAI(ディープラーニング)も同じく万能ではないです)。「道具」は使う人により効果が出る場合もありますが、使い方を間違うと逆効果になることも有るのです。正しい知識の元に「目的と目標」を明確にし、組織内で正しく使える環境が揃って初めて効果を出すことを導入前にチェックすることをお勧めいたします。
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鈴をつけるのは誰だ?
(Sun, 16 Jul 2017)
少し古くなるが、「てるみくらぶ」なる旅行者が破綻した。 個人的には旅行している余裕もないので被害に合ったわけ ではないが、報道を見ていて違和感があった。 資金が回っていない事は、金融筋も、会計を見ていた税理士か 会計士かどちらかが、ある程度は知っていたはず。 粉飾をしていたと言っても、全く気づかないはずがない。
http://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20170405_01.html
にレポートが有るが、やはり信用調査機関は確実に認識していた 事がうかがえる。 分かっていても誰が鈴をつけるのか・・。 金融筋は、自分から「やめなさい」と言えば、他の顧客から 厳しい目線で見られるので言い出ににくい。 会計士や税理士は気づいたとしても、独自に公表する訳には いかない。 金融筋や、会計士(または税理士)がどれだけ経営者を説得したか までは全く見えないが、良い解釈をすれば「言っても経営者が聞かなかった」ということであろう。 最悪のケースは、顧客から見放されたくなくて一緒に粉飾に参加していたなんて結論もあり得る。 (あくまでも可能性も問題であり、てるみくらぶの 担当がそうだったとは言っていない) 経営者が「絶対にやめない」と言い張った場合、「てるみくらぶ」の ような結末になると分かっていても周りのステークホルダーの最終行動は「ほったらかす」しかなくなる。 中小企業においても、同じような事例は多々ある。 金融筋が「ほったらかす」ケース、 金融筋は分かっていても言い出せないケース 会計関係者が経営者と一緒になって粉飾するケース 関係者が分かっていても「ほったらかす」しかないケース 私の立場は支援者の立場ではあるが、貸付金があるわけでもないし、その顧客から支援を断られても困る立場でも無いのである意味ストレートに言いやすい立場にある。 きちんと現状を伝え、未来の計画案を模索しながらも、未来が描けな い場合は、経営者に「鈴をつける」役割ではないかと思うことも多い。 とは言え最後の決断は経営者自身がする以外にはないので 「それでもやりたいのです」と言われると辛い・・・。
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補助金申請支援で思うこと
(Mon, 18 Apr 2016)
政府の経済対策として「ものづくり補助金」など様々な 補助金があることはご存知のことだろう。 補助金申請のための支援は個人の仕事としては受けない が、公的機関からの依頼で支援をせざるを得ないケースが 多々あるが申請の支援の中で思うことを書いてみたい。 (1)そもそも設備投資がいるの? 補助金があるから、古い設備を入れ替えたいといった 動機の申請がかなりあるのも事実である。 いくら補助金があるにしても、全額それで賄えるわけ では無いのだから、それなりに投資対効果の評価が必要 になるが、この辺りを正しく評価しているとは思えない 事例が散見される。 (2)投資対効果の評価は正しい? 「○◯の設備を入れると、工数が◎%削減されるので 効果がある」という評価がほとんどである。 しかし、原価低減すれば必ず利益が増加するという 妄想は、誤った理解であるのだが、かなり広く信じられてい る事がよく分かる。 原価低減が利益に直結するには、様々な条件が満足 されないといけないがそれを理解している事業者は少 ない。 正しい知識を持たないまま投資を行うことがどんなに危険か を各支援機関は正しく企業に説明する事が必要なんだろうと思う が、各種支援機関も怪しくないだろうか? 京セラ 稲盛さんの言葉に 「考え方×熱意×能力」 という言葉があるが、 考え方が間違っている(マイナス)とどんなに頑張っても マイナスの答えしか出なくなる。 事業者の皆様、ご注意あれ。
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本当の活躍者は誰か ~ラグビー報道に見る~
(Tue, 13 Oct 2015)
ラグビー日本代表がWカップで三勝したが残念ながらベスト8に残れなかった。 イングランド戦、サモア戦、アメリカ戦を久しぶりに拝見したが過去に見ていたラグビーの風景とかなり違うなぁと世界のレベルを感じたところである。 個人的には、生粋のラグビーファンでは無いが、だいぶ以前から大学ラグビーを中心に大事な試合はみていた方だろう。 それは多分お正月に大学ラグビーの試合があったからだと思う。 昔の成人式1月15日に学生チャンピオンと社会人チャンピオンの試合があったからだろうか・・。 記憶が定かではないが、早稲田の植山FB,石塚FL,藤原WTB,本城FB、吉野WTB、堀越SH、増保WTBといった名前が思い浮かぶ。 明治なら、松尾雄治SO、河瀬NO8、吉田WTBという名前か。 当時は、小柄な早稲田FWと重量戦車FWの明治という図式が定番で、小柄な早稲田FWがゴール前を凌ぎ、浅いラインの早稲田バックスが華麗に玉を回すなんてのが小気味良くどちらかと言えば早稲田ファンだったと思う。 その後は、新日鉄釜石が活躍した時代で、おぼろげに覚えているのは全日本の決勝だったと思うが、松尾雄治が八の字を手で指示をしてサインプレーをした時だろうか。 バックスが見事な展開でトライを奪った時は、背中がゾクゾクした記憶がある。 その後はそれほど思い出さないとこを見ると、その後はほとんど見てなかった事は明白。 何をいっても今はニワカ ラグビーファンであることは間違いない。 昔話はさておいて、今回のWカップを見ていて、昔のラグビーを見ていた時との圧倒的な違いは、ゲームが止まらず次々と展開していくことである。 私が見ていた時代は、モールなんてのはほとんど無くて、すぐラックになるのだが、大体が玉が出なくてスクラム。 自陣でマイボールになると、タッチキックで逃げて陣地を挽回。 といった感じでやたらとゲームが止まるイメージが強い。 しかし今回のWカップを見ると、本当に止まらないのである。 攻めていて、起点を作ってもすぐにボールが出て次の展開、次の展開と止まらないし、自陣でボールを奪っても安易には蹴りださない。 日本代表でも、大きな相手に対して起点を作った時に奪われないところを見ると隔世の感がある。 さて本題である。 ラグビー報道を見ると、キックで得点する五郎丸FBやトライした人の評価が高いが、今回の日本代表の活躍の最大要因は、トライに直接は関与していないFWの人たちの頑張りとデフェンス力ではないのだろうか。 久しくラグビーを見ていなかったので代表個々のプロフィールを見てもピンと来ないが、突っ込んでいって密集の中で消えてしまう人達の頑張りがキックやトライを支えているように思える。 起点を作った後奪われないためには、突っ込んでいった人を如何に速やかにサポートすることが出来るかであろうが、その点で素晴らしい活躍をしたメンバが数多くいる印象である。 もっとこの点をクローズアップして報道して欲しい欲しいと思うのは私だけだろうか。 同じようなことは企業でも起きている。 最終的な結果を出した人を高く評価するが、その裏方さんや地道な影の活動があまりクローズアップされないケースもよく見かける。 成果主義を過激に実施するとこういった事例も起こりやすい。 目の超えたファンは、裏方さんをきちんと評価する。それはサッカーの先進国でも同じ傾向があるような気がする。 企業でも経営層の目が肥えないと、下支えをする人達が日の目を見ない。 そうなると下支えの仕事に関する後継者ができない。 それがジワジワと影響して、ある時に気づくと成果が出ないという構図になりかねない。 組織は役割であり、各々の地道な役割を果たす行為を上手く評価することは重要な経営課題だと思う。 ラグビーには素晴らしい言葉がある。 one for all, all for one 企業でもせひこの言葉を実践していただきたいと思う。
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全部原価計算関係の関連記事
(Mon, 28 Sep 2015)
前回、全部原価計算では判断してはいけない 事例が沢山あると記載したが、関連したなかなか 鋭いブログを発見。
忙しいそば屋とヒマなそば屋 ~ 経済性工学とは何か、それは原価管理とどう違うのか?
機会損失、経済性工学の基礎、品質など広範囲に 納得出来る。 ご参考まで。
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